Wisdom

インタビュー&座談会集

生い立ちを思いだすとつらいです。みなさんはどうしていますか?③

みんなそれぞれ、いろんな理由で施設や里親さんの家等にやってきたと思います。
自分の生い立ちについて考えこんでしまうこともあると思います。
先輩たちにどうしているか聞いてみました。
第①弾第②弾第④弾はこちらです。

私は、考えてしまうのはそりゃそうだと思うよ~。
生活のなかのふとしたいろんな場面や、友達との会話のなかでも家族のことを思いだしたりと、予期せぬ場面で思い出すこともある。
それは避けられないことで、仕方がないけど、しんどいっていう気持ちを、施設の先生でも里親さんでも、友達でも、大切な人、安心できる人にはなせたらいいかなと私は思っているよ。
ふむふむ、たしかになあ。考えないようにしようと思っても、ふと思い出しちゃうよねえ。
それで苦しい気持ちになってしまったり…。
そう。あと私の場合は、考えるときの自分の状態にもよるなあ。
元気なときはまあいいやと思えたり、エネルギーが低いときは自分のせいって思ってしまったりとか、感情によってもとらえかたが変わる。
だから、今しんどい状況なのか、落ちついている状況なのか、まず考えるっていうのもいいかもしれないなあ。
たしかに。私もしんどいときに嫌なこと思い出しがちだけど、そういうときは、落ちつく香りをかいだり、生きのびていることに感謝したり、いいことを思い出すようにしているかも。
まあそれでも、とことん気持ちが落ちることもあるけどね。
そうだよね。
あとは、生い立ちのことを知らないから考える材料がなくて、悪いふうに想像しちゃうというのもあるかも。生い立ちのことを知るとか聞くとか、してみてもいいのかもしれないね。
私の場合は、0歳から施設にいて、「施設が家」と自然に思っていたから、実の親に興味がなかった。だけどだんだん他の子には親がいることを知ったり、自分にもパートナーができたりすると、親はなんで自分を生んだのかな、という疑問がわいたんだ。
だけど職員さんには恥ずかしくて聞けなかったり、里親さんに聞くのも申し訳ないと思っていた。
うんうん。
新しい家族ができているかもしれないとか、生きているか死んでいるかすらわからない、知りたいけど怖いっていう気持ちもあったな。
でも知りたいという気持ちが、私は強くなって、聞いてみたよ。
インケアのときじゃないと探すのが難しくなる
し、その後、家などの契約で保証人が必要なときに、嫌でも向きあわなきゃいけなかったりね。
でも、嫌な記憶だとそりゃ向きあいたくないよねえ。それもわかるんよなあ。
なるほどなあ。わたしはなんとか契約はこなしたもの、あまり親とは向きあわずに逃げつづけたかも。けど30代になって人生の経験がふえてきて、親も大変だったんだろうなとは思えるようになったかもな。そうはいっても会うのは怖いけどね…。
〇編集後記〇
生い立ちを知りたい気もちと、知りたくない気もち、そりゃどっちもありますよね。
悩ましいけれど、その気もちもそのまま大切に、語りあえるといいのかなあなんて思いました。

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