Wisdom

インタビュー&座談会集

【座談会】「経験を語る活動」について語る会〈前編〉

[今日の座談会テーマ]
自分の経験を語る活動はさまざまな感情を呼び起こすことや、それでも語る活動をする思い、活動前後のセルフケアについて語りました。(  » 後編はこちら

★今日の座談会メンバー
[みーちゃん]:30代。国の委員会などにも社会的養護経験者委員として出席中。
[ira]:30代。児童養護施設経験者としてだけでなく、他の当事者会にも参加中。
[あらちゃん]:30代。里親家庭を経験。

★「みんなの講演のテーマや、語る活動をする思いを教えてください。」
[ira]:30,40,50代の人が、生きのびてきた人が、生きてきてよかったという世の中になってほしい。今はない支援ができるようにと願いを込めて話している。
あとは施設の子ども間の暴力に目を向けて、どうにか新しい支援ができて欲しいな、と。本当に心のケアがめっちゃ大事。私の場合は職員はめっちゃよかったとか。されてうれしかったこととか。今後の子どもたちがそういう機会に出会えたり、講演聞いている人で施設職員や元施設職員とかが聞いてくれたりするから、その人たちが元気になれるようなことを言いたいと思う。それがテーマかな。

[みーちゃん]:私は、講演会では言わないけど、ほんとうは、いろんな人に改善して欲しい事とか言いたい。制度のこととか児相の在り方とか。もっと子どもが困っていることに気付いてほしい、とか、もっとこう言ってくれたらいいのに、と。それを直接言って職員さんとかが傷ついたらよくないなと思うけど。でも子どもに寄り添ってもらえるためにはどうしたらいいかなと考えている。根底には怒りとかもあるのかな。それを出さずに、ちょっとでも子どもたちの生活がよくなるといいな。
あとは施設をでたあとの人たちのことを知ってほしい。講演の時には、必ず出た後の話、若者の話をするようにしている。

[あらちゃん]:私は結構、制度も大事だけど、それにくわえて、大人のさりげない人となりを見て、居心地いいかもというのを確かめながら、里親家庭で生活していたという話かな。子どもに対してどんな声かけをしたらいいですか、とか対応のことを聞かれるけど、それも大事だけど、その人の自然な有り様にも癒される、それをいろんな具体例出しながら話しするかも。

[みーちゃん]:例えば?

[あらちゃん]:鼻歌をうたいながらこどもたちの布団を干しているとか。60代の里親さん夫婦でしみじみと晩酌をしているとか、好きなものを覚えていてくれたとか、その人が無意識にやっていることに癒されるという話かも。具体的なことを話すから、被害は口にしなくても、その当時の苦しい感覚まで戻ってくる。今は全然そんなことないのに。

[みーちゃん]:声がめっちゃ震えるときはない?

[あらちゃん]:ある。全然ある!

[みーちゃん]:自分のこと話すときはめっちゃ震える。

[ira]:のどにたまがある感覚ない? のどがいたくなる。

[みーちゃん]:確かに身体的な感覚はある。感情だけじゃなくて。

[みーちゃん]:私は不自然なくらいにこにこして話してしまうかも。

[ira]:講演中にいろんなスイッチ変わるから気を付けている。不思議だな~って思う。

[みーちゃん]:昔はアウェイ感強くてしんどかったけど。今はいい人が増えて、すごいよかったですとか感想を言ってくれる。それがよかった。

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