インタビュー&座談会集
【座談会】恋愛・家族について語る会(2020年度社会的養護全国交流会発表)
これまで4回行われてきた「社会的養護経験者全国交流会」。
今回は2020年度に行われた第3回目の交流会で「ゆるゆる恋愛トークルーム」グループが発表した内容をご紹介します。
・トークルームメンバー:養護施設や里親、特別養子縁組経験者などなど…年齢層は様々ですが、老若男女11名でトークしました。
質問:相手に社会的養護にいることをいつ言う?
「社会的養護にいたころは、門限や社会的養護のルールで、制限があることから相手にいわざるをえなくなってくる。」
「そう考えると、社会的養護経験同士だとそういう説明しなくてもいいからハードルは下がるかもしれない。」
質問:恋愛について、カップルや夫婦、家族のイメージは?
「家庭をみた経験がないから夫婦像がない。施設の関係は家族とはまたちがう感じがする。家族のイメージがもちづらい。」
「夫婦像がないと恋愛がむずかしいのかな?」
「いや全然いけるでしょ。ドラマでも、周囲に人でもなんでもいる。この世の中、多様性ってたくさん言っている。そういうイメージがそもそもないからなんでもいい。期待もなければ不安もない。別れたくなったら別れたらいい。」
「子どもができた時に愛情を与えられるかが心配。どう子どもに接したらいいのかわからない。」
「自分は想像しづらいからこそ、一歩が踏み出せない。結婚したら…家族ってどうなる?」
「家族に嫌なことがいっぱいあったから、不安になる。」
質問:逆に、カップルや家族のイメージがありすぎるという声もあることについて
「家族が欲しい気持ちが成長しすぎて、万能の夫婦像の幻を自分の中に作っていった。」
「自分は嫌だったからこそ、期待、理想がすごいある。その期待や理想に苦しめられている気もする。」
「結婚にこだわりすぎ、とらわれすぎなのかなと思うことがある。」
「自分がこうしないと、ということも大事にしながら、相手を支配しないように大事にしてほしい。」
「家族や血縁への理想や期待、執着が相手にとって負担になるのではないかと思うと、それに踏ん切りがついてから家族のことは改めて考えたい。」
「わたしの場合は踏ん切りつかなかったので結局ええいままよだった。一生考えていくことなのかも。」
質問:カップル、夫婦のイメージを合わせていく作業について
「関係というのは、自分の思いもあるけど結局相手ありきのこと。」
「折り合いをつける、折れる、というより自然とそうなっていく、相手の話をきくとなるほど~となり折れた感覚はないかもしれない。」
「自分は折れてきた。なぜだか折れてしまう。」
「自分の譲れない大切なものを年々見つけていく、それを伝えていくことが大事かもしれない。年をとると見つかってきて楽になってくる。それはそれで次の悩みはあるけど。」
質問:というか、愛とは?
「愛というものがわからない。」
「愛に飢えているかもしれない。」
「愛に飢える。わかる。あんなに大量に子どもがいるなかで愛をもらうのは無理なのでは。」
→「ゆるゆる恋愛トークルーム」は、ここで終わりました。ゆるゆると言いつつ、人生観にせまるような深い話題となりました。
次回もまた、いろいろなお話ができたらと思います。
参加してくれた皆さん、ありがとうございました。