インタビュー＆座談会集

小学校から短大ぐらいまでは、劣等感しかなかったです。
児童養護施設に暮らしていることも、人に知られたくありませんでした。
児童養護施設から退所するときも、周囲が親に家賃を出してもらうとか、引っこしを手伝ってもらうとか聞くと、いいなあと思っていました。

ただ、大人になると、周りもなにかしら問題をかかえていることがわかってきたり、親が病気になるとかで別れが始まっていたり…。
社会的養護出身者は、こどもの頃に家族問題や親との別れを経験しているので、当時は自分たちだけがつらいと思っていました。
でも、人生誰しも、なにかしらつらいことが起きるんだ、自分だけがつらいわけじゃないと思えるようになりました。
10代、20代前半ではそうは思えなかったかもしれない。経験がふえて、視野が広がったからだと思います。

私の場合は、今が最高に楽しいんです。過去のおかげで今があるんだと
思っているので、大嫌いだった過去も、今となっては感謝しています。

はい。まあ一生許せないことも多々ありますが、「ハハッ」と鼻で笑えるようなおもしろい話に変えられるというか…。
ただ、今はそう思えているけれど、人生なにがあるかわからないし、またどうしようもないつらい悲しいことが起こることもあると思っています。
その時に、過去のせいで…と思う気もするので、結局、自分が今、過去をどうとらえるかについては、あんまりこだわらなくなったかもしれないです。