Wisdom

インタビュー&座談会集

養護施設等を退所して10年ほどたったいま、思うこと⑤

護施設や里親さんの家などを退所して10年ほどたっている先輩たちは、当時のことや退所してからのことをどのように感じているでしょうか。聞いてみました。
第①弾第②弾第③弾第④弾はこちらです。

今思うことかあ…。
正直、児童養護施設にいたときのことは記憶がない感じです。
一般の家庭も、こどもの頃ってそういうものなんですかね。
こどもの頃ってなんか必死だったように思いますね。
私は都合のいいところしか覚えていないかもしれません。
ただ、「自分は児童養護施設にいる子だ」という劣等感を抱えていたことは覚えています。
いま思いだしてみれば、みんな幼少期から本当によく頑張っているなと思います。本当に、「自分、お疲れ様」と思います。
うんうん。らいおんさんも、みんなも本当えらいですよ…!
もう大人になって、7割くらいは過去や児童養護施設の影響はなくなってきたかなと自分では感じます。
社会にまぎれていたら、児童養護施設出身とか誰もわからない。
こどもの頃は「施設にいる特別な子」ではなくこれを望んでいました。
やっと「普通の人」になれた。

とにかく考えて生きてきたので、もう考えないでおこうという感じです
うんうん。「社会的養護にいる」という劣等感は、こどもの頃はとても衝撃的なことだったから、社会的養護以外はすべて「普通の人」にみえていた気持ちを思い出しました。
大人になると誰しもが何かを抱えていることを知ったから、「普通ってなんだろう」と思ったりもします。何かを抱えていて当たり前なのかも?
退所して10年かあ…。
絶望的なことがあって児童養護施設に入所して、いま現在までも、時々絶望することはあったけど…。
全体で見たときに、今ちゃんと生きていられているというのがありがたいと思います。

理由はわからないけど、今の自分は「普通の人」のようだと思います。
こどもの頃から衝撃と絶望の連続でしたよね。
「自分はこの先もずっと波乱万丈な運命なのかも…」と感じるのは自然なことだと思います。
私もこんなに穏やかに生きられるとは、こどもの頃は想像つかなかったです。日々暮らせていることに感謝ですね…!
〇編集後記〇
自分ではどうすることもできなかった「家族」のことでたくさん悩んできた幼少期は、心にいつも重いものが沈んでいるような日々だったかもしれないです。「みんな本当によく頑張っているね」って労いあいたいなと思います。

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