Wisdom

インタビュー&座談会集

養護施設等を退所して10年ほどたったいま、思うこと③

養護施設や里親さんの家などを退所して10年以上経っている先輩たちは、当時のことや退所してからのことをどのように感じているでしょうか。 聞いてみました。
第①弾第②弾第④弾はこちらです。

人に聞いた話なんですが、自分も最近は本当にそうだなと思っている考え方があるんですけど。
人生を重ねて、いい時間がふえてきたときに、改めて過去を思いかえすと、嫌な思い出がいつのまにか小さくなっていて、そうなって初めて考えられること、立ち向かえることってあるんだなあと最近は思えるんですよね。
なるほど、たしかに。
いい時間って、どうやったら増やせるんでしょうか?
今悩んでいることってもうちょっとあとに悩んでもいいのかなとか、ひとまず自分にとっていい時間をふやしてみようとする、ということかもしれないです。
心地よいかも、楽しいかもという時間に出会ったときには、「いい時間だな」って意識的に感じるみたいなことも重要なんだろうなって思いますね。何もない日常もいい時間と考えるようになると、楽になるなあと思います。
たしかに、当たり前の何気ない日常ほどありがたいものはないですよね。
私は退所して10年ほどたちます。里親さんが仕事も忙しいのに、鼻歌を歌いながら、おいしいお弁当やごはんをつくってくれたなあとか、私の好きなパンをいつも買ってきてくれていたなあとか、夫婦で晩酌していたのが素敵だったなとか、心が折れそうになるときに、その光景を思い出すと力がわいてきます。里親さんとは当時はうまくいかないこともあったけど、今では気さくに話せる仲となり、自分もオトナになったな~と思います。
私は退所して20年以上になりますが…
ざっくりいうと、施設を経験したことを肯定的にとらえることができるようになったと思いますね。
なぜかというと、施設にいたからこそ出あった仲間、職員さん、それから、いろんな社会的養護経験者に、年齢とかエリアとか関係なく出あえたことが理由です。
パンチのきいている青年にも、施設出身じゃなかったら出会えていなかったかもしれない。
学校で出会うともだち、職場じゃないつながりは、施設を経験したからこそ出会えたんだなって、今だから思います。
〇編集後記〇
人生を客観的に振りかえるコメントが多かったように思います。
10年前の自分は思いつかなかった考え方だなあと、お話をお聞きして思いました。同世代の方々、いかがでしょうか?

次は15年、20年後、またお話きけたらいいな~なんて思います。
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