Wisdom

インタビュー&座談会集

養護施設等を退所して10年ほどたったいま、思うこと②

養護施設や里親さんの家などを退所して10年ほどたっている先輩たちは、当時のことや退所してからのことをどのように感じているでしょうか。 聞いてみました。
第①弾第③弾第④弾はこちらです。

私は18歳から自立して働いていたんだけど、
そのことが誇らしくもありつつ、親がいて余裕もって大学に行っている人たちが遊んでいたりして、うらやましいとも、劣等感をかんじることもあった。
けど今思うと、結果的には自分には就職が向いていたんだなあと思う。
ほうほう、それはどうして?
18歳で就職すると、経済格差がわかりやすいかたちで見えなくて、社会的養護とか関係なく、実家にお金をいれないといけないとか、誰かを養わないといけないっていう覚悟がある子が多かったんだ。
周りもみんな頑張っていて、たくましくてかっこいい同志って感じがした。

そういう経験も含めて、社会人経験が長いことはアドバンテージだなと今は思うよ。
なるほどなあ。それは心強い出会いだなと思った。
当時は複雑な感情もあったかもしれないけど、10年たつと、今となっては…と思うこともたしかにあるね。
自分は、結婚や出産とかそんなこと自分にできるわけないって思っていたけど、まさかの結婚もして、ライフステージが変わって、考えることが変わった気がする。
地元の施設職員が「みんなが帰ってこられる場所をつくりたい」って里親ファミリーホームをはじめたんだ。そういうこともあるんだ~と感動した。
あの頃には想像もできなかったことが10年たって起きるんだなあと思ったよ。
未来はわからない。
〇編集後記〇
施設や里親家庭等を退所してからもいろんな経験があり、そのたびにたくさんの思いを抱えましたね。
いつしか振り返ったときに、「こんな未来があるなんて想像もしていなかった。」ということにはっとするのかもしれないな~と思いました。
人生はわからないですね。

まだまだたくさんお話をお聞きしていきたいなと思います。

●「あなたの声を聞かせてください 投稿フォーム」はこちらです。

一覧へ戻る
アイリス知恵袋 INDEX