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インタビュー&座談会集

当事者支援者について (社会的養護等経験者全国交流会2022発表資料)

社会的養護経験者をへて、社会的養護の支援をする、「当事者支援者」。自身が経験したからこそ、支援したくなる気持ちは自然なことですが、葛藤はいろいろ…。数名のメンバーで話しあい、他の参加者にもインタビューをして、まとめたことを発表しました。

当事者支援者について

「当事者支援者」とは?
・「当事者性をもつ支援者」
・ここでは「社会的養護経験者である支援者」とする
※あくまでこの発表内での定義です

このグループに参加した理由
・児童養護施設職員になりたい
・居場所づくりの支援者になりたい
・居場所づくりをやってきたが、これから就職であるためどうしていこうか悩む

なぜ当事者支援者になりたいのか?
・経験者がいると子どもが話しやすいのでは?と思ったから
・当時寄り添ってくれた職員がいて嬉しかったから
・施設出た後、居場所のようなところなく孤立 ないなら自分でそういう所を作りたいと思った

当事者支援者ならではの葛藤
・葛藤を抱えながらやっている
・やる中で「自分の時はこうだったのにずるい」と思ってしまう自分がいる
・子どものことを「良いな~」と嫉妬してしまう
・気持ちが引っ張られてしまうことがある

どうやったら過去に折り合いを付けられる?
人に話して思いを流す
ため込まない
ということが割と多い声

交流会に参加していた4名の
当事者支援者の方にインタビュー!
ご協力ありがとうございました(´;ω;`)

4名の方にインタビューをしました!
児童養護施設職員や支援団体職員、この交流会のサポーターさんなど!

支援の中でどんな葛藤がありますか?①
・中のことが分かってしまうという葛藤(こうやって施設や里親に行くんだなど)
・児童相談所との関わりの中で、「こういう人が人生の決定をするのか、これで良いのか?」と葛藤することがある
・共感性が高いからこそしんどい
・匂いや言葉、雰囲気でフラッシュバックすることに気づいた

支援の中でどんな葛藤がありますか?②
・自分のセルフケアがなかなか難しい
・子どもにこうしてあげたいということがなかなかできない
・理解のない職員の対応を見てイラっとする
・他の職員との兼ね合い
・会議がしんどい 自分もこうやって話されていたのかと思う

どのように乗り越えていますか?①
・育ち合うという感覚、周りの理解
・自己覚知に徹する
・やらなきゃ、頑張らなきゃという思いを捨てる
・非常勤という働き方も良い
・試し行動を理解する
・子どもが成長する姿を見て、少しでも貢献できたかなと思うこと

どのように乗り越えていますか?②
・自分がどういうところで影響を受けるのかに気づくことが必要
・嫌な対応を目の前の職員がしている時どう思うか
・気の合う職員と話す
・転職・休職もしたって良い 固執しない
・子どものかわいさは癒し

その他
・施設職員より団体職員の方が大変だと思う。施設は枠があるが、団体は枠が広いので、支援者の価値観に左右される。
・福祉じゃなくても仕事はある。福祉以外の仕事もまた福祉に役に立つ。世の中視点から福祉を見れる当事者も貴重。

まとめ

まとめ1
・色んな関わり方がある
①仕事でがっつり関わる
②仕事でなくボランティアで関わる
③単発などでたまに関わる

まとめ2
「やりたい」と「合う」が違う時にどうするか(それでもやるのか、違う道に行くのか)
続ける人もいれば、違う道に行く人もいる。関わり方を変える人もいる。
人それぞれ決定打が違う。

まとめ3
葛藤というものにぶつかりながら、ゴールに向かって歩いている

まとめ4
セルフケアが大事! つぶれないようにする

Thank you!!

支援をするなかで改めて自分自身を深く知っていくことにもつながり、考えさせられますね。発表ありがとうございました。

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